健康・心の療法

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うつ病考察・・・認知療法と分析!固定観念に気づく方法 2007/06/06 

うつ病の認知の歪みにもいろいろあるように、そのための認知療法の技法にも種類があります。
一般的な方法は、自分のうつの状況や思考などを、何日か書き続けて行きます。
それを専門のカウンセラーなどによって、その内容を分析判断、アドバイスをしてもらいます。

たとえば、何月何日、その日の状況を書きます。
「何もやる気が起きず、せっかくの休み部屋でボォーとしていた」というようなことです。
そのときに出て来た自分の感情や思い(自動思考)なども書きます。
「憂鬱、不快感、不安」という感じで。

そして、自動思考は。
「何もやる気しない、もう無理なんだ。ヤッパリ、何をやってもうまく行かないんだ」
そして次に書くのが、合理的な考えというもので、少し自分を客観的になって考えたものです。

「こんな感じで何もしなけりゃ、調子悪くなるよなぁ! 人間、誰でも失敗やミスはするよなぁ!
すべてうまく行く、そんな風に考える方がおかしいかも! 一応、仕事もやれてるし・・・」
このように毎日、できるだけ細かく自分の状況を書き続けていくことが必要です。

それで、自分自身で何かポジティブに気づくか、カウンセラーからアドバイスを受けるか、どちらにしても、自分の思いの間違い、認知の歪みをどのように気づくかです。
ただ、気づくことも大事ですが、今度はその間違いをいかに理解して変えて行けるかです。

そこに、自分の工夫や智恵が無ければ、それを詳しく知っている人の助けが必要ですね。
では、これとは別に、自分の意識は今どのようになっているか。
客観的に見る方法です。
単純に何らかのストレスがあなたを襲うと、あなたの意識はそれにすぐ反応します。

ストレスだけでなく、私たちはどんな物事にも反応して、それなりの結論を出していますね。
また、すぐに対処しなければならないときは、内なる自分としての認知機能が働きます。
当然このようなことは、自分の中にある自動的機能の働きとなりますよね。
無意識的に。

この自分の判断の根本にあるものは、これまでに自分が認知して来たものすべてです。
それは固定観念とも言い、自分の思考の基盤を為すものでそれは認知機能とも関連しています。
その認知機能の反応や判断結果によって、あなたのあらゆる表現行為が影響を受けるんです。

これが分ると、やはり私たちは自分のことを出来る限り知っておくことは必要ですよね。
そうなると、自分の固定観念を客観的に、理性的に判断できるようになれますから。
再確認ということも含め、参考までに自分で自分の意識に気づく方法を書いてみます。

用意するのは、ノートか数枚の用紙で、それに4種類の自分の思いを書き込んでいきます。
誰にも見せるものではありませんから、素直に感じたまま出てきたままを書いていきます。
1枚目は、自分のイヤなところ、性格、くせ、感情、考え方、人との関わり、過去の嫌な思い出、いろいろたくさんあります。 

要するに、すべての自分のネガティブだけを書いていきます。
2枚目は、今度は前とは逆に、すべての自分の良さ、褒められるところ、過去のことでも何でも、要するに、すべての自分のポジティブなところだけを書いていきます。
3枚目は、自分のやりたいこと、目的、願望をすべて書きます。
このとき、理想でも夢でも空想でも、絶対無理だということでも何でも書きます。
(たとえば、宇宙を征服したい!でも)

素直な自分の意識を解放させてあげてください。
それとは別に、絶対やりたくないと思っていることも浮かぶだけ書きます。
4枚目は、自分のネガティブ性や欠点をポジティブに変えていくために出来ることを書きます。
すべては始めの第一歩から、確実に出来るものを書きます。

前向きに考える習慣は、確実にあなたの意識的回路を開いて行きます。
同時に、自分を他人とした場合、
その他人としての自分に、最高のアドバイスや励ましのポジティブな言葉を書いてください。
悩んでいるあなたの大事な人や後輩が、少しでも立ち直れるようにアドバイスするように!

また、確実に前進できるように、その真剣な前向きな思いを書いていきます。
思い出しながら、気づいたものを書いていくには、2,3ヶ月続けられるかもしれません。
書いているうちに、埋もれていたものが出て来たり、新しいものを発見したり、もしかして、ヒラメキが来ることも!やはり、最低このくらいの期間は必要です。

半年くらい続けられれば本当にいろいろな自分に気づくことも、知ることも出来るでしょう。
あとは、自分なりに見方を工夫して、冷静に自己分析、判断して行けばいいんです。
他人との比較でも、本当にいろいろなことが解かると思います。

そこには、あなたしか知らないあなたと、あなたでも気づいていない別な自分が隠れています。
私としても、いずれ心の問題解決の療法に、この一部を役立てたいと考えています。
自分に焦点をあて、自分を見つめていくことは、一生に一度くらいはしたほうがいいでしょう。

これは、自分ができる自分を知るいい方法です。 
自分を見つめ考えることも必要です。
ここでは、分析方法まで書くことは出来ませんが、自分研究も楽しいものです。
この方法で自分を見つめていく訓練をすれば、人間の意識も解かってくると思うのですが。

「自分を知る」、このことがいかに重要なことか!
自分を動かすのは、自分ですからね。

うつ病考察・・・「個人化」、何も悪くないのに、何故自分を責めるの! 2007/04/26

何か良くないことが起こった時、それが、自分だけに責任がないような場合、
また、明らかにさまざまな要因によって起こったに違いない悪い出来事などに対しても、すべて自分のせいだと考え、罪の意識を感じ、自分を悪い者と責める。 
これが個人化です。 

何でも自分に関連付けることから「自己関連づけ」とも言います。
多少の関わりでも、また本当に深く関わっている場合でも、どちらにしても、
直接的には自分の責任でないことを、自分だけではどうにも出来ないことを、自分のこととして強く感じてしまう傾向です。
その反応がパターン化して行けば、自己嫌悪に陥って無力感が強くなって行きます。

さらにこの歪みが強くなって行くと、すべてをネガティブ的な思考で見つめるようになるので、益々ネガティブを引き寄せる自分になって行くんです。
だんだん運も悪くなって行きますよね。
自分の子供が受験に失敗したのは、「これは私の責任だ、自分はダメな親だ」
ある生徒がイジメで不幸なことが起こったとき、それに気づけなかった先生が、「これは全部私の責任だ、私が全部悪いんだ、自分は教師失格だ」

このうつ病も重症になると、自殺する人もいるくらいです。
大きな組織の中だとこうなる人も。
こんな感じからうつになって行くのですが、このようなことは一度は考えたことがあるはずです。
いろいろな例はありますが、漠然とした表現になりますが後でこう思ったこともありますよね。

「こんなことになるんなら、あの時もっといろんなことしてあげればよかった。自分のせいだ」
「こうなったのは、自分がほぉっておいたからだ、ちゃんとやっていれば。自分が一番悪いんだ」
このようにすべて自分の責任と思い込むのは、責任感が強いからでしょうか。

責任感が強いから、自分を責める罪の意識が出て来るんでしょうか。
確かにそのような人もいるでしょうが、逆に責任感がなくてもそう思ってしまう意識とは?
その自分の奥深くにある根本的な意識は、本当は何が気になっているのでしょうか。

自分を許せない意識とは、他人の責任まで自分の責任としてしまう意識とは。
現代において、何でも人のせいにしてしまい、人を責めることだけしか考えない人が多い中、まだこのような人は人間的に好感が持てるかもしれませんが、でもそれで自分がつぶれては・・
そして、このような意識にはまっていると、いつも見つめる先は足もとその見える範囲だけ。

前向きに物事を考えるとか、何とかこの状態から脱するための方法を見つめようとはしないで、集中しているところはいつも自分の心の中、その心の中の世界で解決方法を探しているだけ。
責任を感じる思い自体は、人を悪く思うようなものではないので、善悪の判断から言えば、ネガティブだとはなりませんが、ポジティブネガティブの意味にもいろいろあるんです。

意識的なポジティブネガティブは善悪だけでは判断しないんです。
他人から足を引っ張られて苦しむのも、自分自ら足を引っ張って自分を苦しめるのも、ネガティブには変わりないんです。 
ポジティブネガティブの真意をしっかり知っていくと、うつ的な認知の歪みにも、歯止めが掛けられるようになるでしょう。

「個人化」で苦しんでいる人は、本質を理解すれば意識的成長も早いと私は思っています。 
認知の歪みの中では、まだ早く救われるかなぁ、という感じですね。
でも、いくら責任感が強いといっても、うつ病だからといっても、ちょっと度を越すと、その背後というか、その隠れている本当の意識は何なの?と思いたくなりますね。

本当に責任感が強ければ、根っからそのような性格であるなら、最初から行動が違うはず!
自分の役割があったり、責任を持たされたりしている人は、個人や団体組織の中に関わらず、確かに他の人に「影響」を与えていることはありますし、それが仕事である場合もあります。

しかし、その影響を与えるということが、他の人に100%影響を及ぼせるのでしょうか。
そこをカン違いすると、自分には関係ない人の意識の一部を自分として同化してしまうんです。
そうなると当然、その人の責任でしかないことまで自分の責任と考えてしまいますよね。

でも、「個人化」の重症な人にこのようなことを言ってもあまり効果はないでしょう。
では、もっと深くこのような人の意識に入って行くと、どのようなことがあるのでしょうか。
その意識の背後にあるのは、無意識的に自他共に及ぼす過剰な「期待感」もあるはずです。

「期待感」、それはもちろんすべてがうまく行くことを願っていることです。 
さらにその奥には、「不安感」、その意識を消すためには「支配」の意識が、というように、さらに複雑に絡んでいる意識もあるでしょう。
解放に向けていい話をしていけば、ほとんどの人が頭ではその通りだと思うでしょう。

しかし、潜在意識の部分が理解納得していないと、何かが解からないといって元に戻るんです。
現代人の心の問題は、いろいろなことが複合的に絡んで複雑にしています。
短時間短期間では、表面的な言葉のマジックでは、これまでの心理療法などでは、だんだん行き詰まり傾向になって行くでしょう。

テクニックはネットでも研究できる時代です。
解放に導く側も受ける側も、心、意識の理解が益々必要となっていく時代に入って来たんです。